不本意な怒り ~inside scream~

近年、「アンガーマネジメント」などのメンタルコントロール術が注目されています。
特に日本人が最も制御したい、あるいは遠ざけたい感情は 「怒り」 ではないでしょうか。
例えば、電車やバスなどの公共の場で喧嘩をする人たちは白い目で見られますし、お店にいるクレーマーに対しても、多くの人は否定的な印象を持つでしょう。
僕自身、「怒り」は最も遠ざけたい感情 です。
争いごとが苦手で、人一倍溜め込む性格のため、思わぬ場面で爆発したり、ストレス過多のあまり普段なら取らない行動をしてしまうことがあるからです。
しかし、こうした煩わしい「怒り」 に対して、ただ見て見ぬふりをすればいいのでしょうか?
今回は、この「怒り」について向き合ってみました。
「怒り」はあなたを守り、成長へと導く
なぜ人は怒るのか?
「怒り」という感情は、人との対立を招き、思わぬ人間関係の亀裂を生じさせることがあります。
しかし、そもそもなぜ人は怒るのでしょうか?
かつて僕も、
「怒りの感情なんてなければいいのに……」
と思っていた時期がありました。
しかし、もし怒ることができなければ、自分にとって不利益な現実を受け入れざるを得なくなります。
例えば、あなたがひったくりに遭ったとしましょう。
奪われたカバンの中には、大金やスマホが入っていたとします。
この時、あなたは犯人に 怒りの感情 を抱き、
✅ 必死に追いかける
✅ 怒号を上げる
✅ 警察に通報する
などの行動を取るでしょう。
ここでの原動力は 怒り です。
もし怒ることができなければ、あなたは泥棒を追いかける気力を失い、ただ現実を受け入れるしかありません。
まるで悟りを開いた僧侶のように 「まあ仕方ないよね」 と諦めるしかないのです。
また、例えばいきなり見知らぬ人に殴られたとしたらどうでしょうか?
瞬間的に怒りが湧き、
✅ 殴り返して自己防衛する
✅ その場では恐怖の方が勝るかもしれないが、後々「怒り」が湧いてくる
✅ 警察に通報する、法的に対処する
こうした行動を取るはずです。
このように、「怒り」は自己防衛のための感情 です。
怒らなければ搾取され続け、いじめも終わらないでしょう。
社会の構造としても、反抗しない者はより搾取されていきます。
つまり、怒りは生きる上で必要な防衛本能 なのです。
不本意な怒りはなぜ起きるのか?
些細なことで怒ってしまった経験は誰にでもある
「怒り」は自分を守るためにあるはずなのに、なぜ僕たちは関係のない場面で怒りを乱発してしまうのでしょうか?
例えば、
✅ スーパーやコンビニで店員の態度が悪く、イライラした経験
✅ 大切な家族に対して、些細なことで怒ってしまった経験
「今回は運が悪かった」と受け流せば済むはずなのに、
「なぜ自分がこんな対応をされなければならないのか?」 と深く考えすぎてしまうこともあるでしょう。
また、些細なことに対して 「あそこまで怒る必要があったのか?」 と後になって振り返ることもあります。
あるいは、他人から 「そこまで怒ることじゃないのでは?」 と指摘された経験がある人も多いでしょう。
不本意な怒りは「心の防衛本能の暴走」
結論から言えば、不本意な怒りが生じるのは、あなたの心が防衛反応を誤作動させているから です。
気づかないストレスというのは確かに存在します。
特に、受け流す力が強い人や、体育会系の人は「耐える力」に長けているため、気づかないうちにストレスを溜め込んでいる ことが多いです。
そして、ストレスが限界に達した時、些細な出来事でも 「これは危険な状況だ」 と過大評価し、強い怒りが発動してしまいます。
例えば、ゲームでHPが1の時に、スライムが現れたらどう感じるでしょうか?
普段なら「雑魚キャラ」なのに、その状況では「大きな脅威」と感じてしまいます。
同じように、普段なら流せることでも、心が疲れていると過剰に反応してしまう のです。
不本意な怒りを防ぐ方法
「自分を大切にする」ことが最大のアンガーマネジメント
結論、自分を大切にすること が、不本意な怒りを防ぐ最も効果的な方法です。
例えば、
✅ 「今日はなんとなく元気がないから、運動を控えよう」
✅ 「体調が優れないから、定時で仕事を切り上げよう」
✅ 「機嫌が悪いから、飲み会をやめよう」
こうした 「自分の声を聞く習慣」 を持つと、セルフマネジメントが上手くなり、思わぬ怒りや人間関係のトラブルを避けることができます。
【まとめ】怒りは「自分がどう感じるか」によって生まれる
怒りを感じるのは、あなた自身です。
怒りを引き起こす出来事そのものが「あなたを怒らせよう」としているわけではありません。
例えば、トレードで損失を出した時、
「相場に損させられた」 と思う人がいますが、
機関投資家はあなたの存在すら気にしていません。
損失は、ただあなたのポジション取りが間違っていた だけなのです。
怒りも同じです。
起こった出来事そのものが悪いのではなく、どう感じ、どう行動するかは自分次第 です。
冷静に自分を大切にし、怒るべき時には怒る。
そのバランスを取れることが、本当のアンガーマネジメント なのではないでしょうか。